こんにちは。今回はWindowsOSのユーザープロファイルについての投稿です。
インフラSEの皆さんはご存知と思いますが、WindowsOSには、ユーザーの個々の設定を保持しておくユーザープロファイルというものが存在します。例えば、ブラウザのお気に入り登録の内容が保存されていたりするのも、このユーザープロファイル領域にデータが保存される事によるものです(ローミングと言われています)。具体的なユーザープロファイルの内容は他のブログに任せて、今回はユーザープロファイルの今後について考察してみたいと思います。
移動ユーザープロファイルと固定ユーザープロファイルについて
ユーザープロファイルは通常、使っているパソコンのCドライブ上に保存され、ユーザーがログインする際に読み込まれます。1人が1台の決められたパソコンを使う場合は何の問題もないですが、パソコンが複数ある組織での運用となると、「どのパソコンにログインしても自分の環境が見たい!」とか「全員同じ環境を使わせたい!」という要望が出てきます。そこで利用するのが移動ユーザープロファイルと固定ユーザープロファイルです。これは、ファイルサーバーなど外部のシステムに、プロファイルを配置し、WindowsOSにログインする際にその外部システム領域を参照して設定を読み込むという仕組みです。
かなりざっくりな説明ですが、移動ユーザープロファイルと固定ユーザープロファイルの詳細も他のブログに任せて話を進めます。
これら(移動ユーザープロファイル、固定ユーザープロファイル)を用いた運用は、特に組織でパソコンを利用する際には多く利用されているようなのですが、Windows10の登場により、その存在が危ぶまれています。
天下のマイクロソフトがこれらのいずれも、「非推奨」としたのです。
FSx for Windows File Serverの使い方
先に書いた通り、「非推奨」となった今、新たな手段に乗り換えることも考えなければいけません。ここで出てきているのがUser Experience Virtualization(UE-V)と、Enterprise State Roaming。いずれもユーザープロファイルと同様にローミングを行うための手段で、UE-Vはオンプレミス環境向け。Enterprise State Roamingはデータセンター向けにマイクロソフトが提供している機能です。UE-VはWindows10OSに標準で組み込まれていますし、Enterprise State Roamingは、AzureADで設定する事で利用が可能となります。
(ご参考)Azure Active Directory の Enterprise State Roaming を有効にする
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/active-directory/devices/enterprise-state-roaming-enable
マイクロソフトは、特にEnterprise State Roamingに力を入れているようで、Azureをメインとしたクラウドを中心に据えた展開を狙っているようです。
ここで気になるのが2018年11月にマイクロソフトが買収した企業「FSLogix」。どう考えても、このローミングの強化の為の買収に見えます。
後日投稿したいと思いますが、近日中にパブリックプレビューとなるWindows Virtual Desktop(WVD)にもこのFSLogixの技術が使われる模様です。
注目すべきはFSLogixのProfile Containersという機能。どうやらローミング環境をVHD形式の別ファイルに保存し、VDIにアタッチするだけで個人の環境がどのVDIでも使えるようになりますよ。というものの様子。
この応用ができれば、Webさえつながれば手元のパソコンログインの際にクラウドを参照してローミングもできそうです。
仮想マシンと同様の技術なのでスナップショットやバックアップもサクサクできそう。きっと、UE-VやEnterprise State Roamingにこういった技術が適用されていくのだと(勝手に)予想しています。知らんけど。